2021年11月
いわゆるジェンダークリニックに予約の電話を入れた。
やっとだ。まだスタート地点にも立ってないだろうに、ここまで1年はかかった。
「どうされましたか?」
答えを想定していなくて詰まってしまった。
聞かれることは予想出来たはずなのにな。
「自分の性自認に疑問を持っておりまして…」
とかなんとか言ったと思う。
初診は2ヶ月先に決まった。行くんだ。有給とってさ。
想定よりも電話の内容は多かった。丁寧だった。
緊急連絡先を聞かれるとは思わなかった。
もし当日すっぽかしたら、母親に電話がいくかもしれないという恐怖。
そして、名前を確認される時にこっちはフルネームで伝えたのに、
苗字だけで返してくれる優しさ。
まだ何にも始まってないのに、すごく疲れた。
このまま生きていくのは嫌なんだと、自分の中で答えは決まっているはずなのになんでこんなにハードルが高く感じるんだろう。